ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ディスクロージャー(Disclosure)、危なげがない

20151023

 ディスクロージャーの新しいアルバム「Caracal」を紹介したいと思います。前作のたった一枚のデビューアルバムで、世界を席巻してしまいました。ディスクロージャーとしてダンスミュージックシーン、ポップミュージックシーンにすごく旋風を巻き起こし、そのアルバムでフィーチャリングして彼ら自身がある意味世に送り出したといってもよいあのサム・スミス(Sam Smith)もとんでもないことになっているわけでありまして、ディスクロージャーのみならずディスクロージャー自身がデビューアルバムでいろいろオーガナイズしたアーティスト達も今のシーンの中心を担っているという、本当にこの二年の間にディスクロージャーという兄弟デュオがはたした役割はものすごく大きかったなぁと、それだけにこの次のアルバムはどうなんだろうとそういう期待が盛り上がるわけでございます。まずは、セカンドアルバムでもサム・スミスがフューチャーされたナンバーがあります。Omen。



 すごいですね。ディスクロージャーの曲の品質は。どの曲もどの曲もすばらしいんですけれども、続いてはグレゴリー・ポーター(Gregory Porter)をフューチャーしたナンバーを聞いてください。Holding On。



 この曲がファーストシングルで、最初にかけたOmenがセカンドシングルで、だからこそこのアルバムの中で最もポップなのかもしれませんが、とにかく全編危なげがないディスクロージャークオリティーで統一されておりまして、僕みたいな立場に人間からすれば、君ら若いんだからもうちょっと危なげがある奴をやってもいいんじゃないのと思いながら、そういう曲を探して聞いたら、一番最後にMasterpieceという曲が出てきて、これが究極の危なげのない曲でございまして、でもこれすごくないですかってディスクロージャーに言われたような究極なR&B感と歌物感が素晴らしいです。Masterpiece。



 
 ディスクロージャーのR&B感すごかったですね。最近のディスクロージャーの仕事としてはメアリー・J. ブライジ(Mary Jane Blige)が自分自身に悩みが入っていた時にディスクロージャーが白人のロンドンのミュージシャンとしてそれこそブラックミュージック界の女王を呼んで、もういっぺん彼女自身のソウルシンガーとしての新しい領域をちゃんとプロデュースしてあげたというのは、イギリス人のある意味R&Bのシーンから離れたていた人間だからこそやれたことだと思います。彼女の「The London Sessions」はすばらしいアルバムで、そこにより対象化されたR&Bがあったという、そういうことだと思います。そこで思ったのが、アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)がそれこそ自分自身のソウルシンガーとしての方向性をいろいろ模索した時に、マッスル・ショールズのミュージシャン達によってもういっぺん自分自身のあたらしい方向性を開発したというポップミュージック史に残る伝説がありますけれども、それをやったのがマッスル・ショールズの白人のミュージシャン達だったわけですよね。で、これも笑ってしまうエピソードなんですけれども、そういう話を聞いてポール・サイモン(Paul Simon)がマネージャーに、俺も次のアルバムはこういうようなファンキーでソウルフルなテイストでやりたんだ、だからマッスル・ショールズのすごく優秀な黒人ミュージシャン達と俺はやりたいんだよと言ったら、マネージャーが、それはいいんだけれどもポール彼らは白人だよ、とってポール・サイモンの目が点になるという、そういう話があります。


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