ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ザ・リンダ・リンダズ(The Linda Lindas)​に学ぶ、欧米社会でアジア人が差別されたらどうすればよいのか?

20210612

中村明美「ザ・リンダ・リンダズという新しいバンドをご紹介したいと思います。LAの図書館でライブをやったという所がかわいらしいんですけれども、10歳、13歳、14歳、16歳というすごく若いパンクバンドなんですけれども、彼女たちがパフォーマンスをしてそれがネット上で広がって、トム・モレロ(Tom Morello)からワシントンポストみたいなメディアまでが取り上げて、一気に人気が出てしまって、即座にエピタフが契約しました。彼女らはアジア系アメリカ人の文化と歴史を理解しようという集会に呼ばれて、図書館に毎週ティーンエイジャーを呼んでイベントをやっているんですけれども、そこに彼女たちが呼ばれてライブをしました。その内容は、10歳のドラムの女の子がまず説明をするその説明の仕方があどけなくてかわいいんですが、コロナでロックダウンが始まる直前に学校に行ったら、学校の男の子から「お父さんに中国人には近づくなって言われた」って言われて、「あたし中国人だけど」って言ったら、その男の子が下がったっていうんですね。「その体験をもとにいとこ達と曲を書きました」と言って、

 人種差別性差別の男の子
 あなたは心が狭すぎる
 糞だ

 っていう。曲の内容が人種差別、性差別の男の子に向けて歌いますという内容で、すごい単刀直入な曲です。それだけじゃなくこの子達すごいなぁと思うのは、曲がいいっていうのが一番あるんですけれども、私達はあなた方が破壊したものを再構築するのよといういちラインがあって、すれがすごいなぁと思います。ただパンクで、破壊して叫んで破壊して終わりっていうだけではない所がすばらしいと思いました。彼女たちのウェブサイトを見ると、お父さんがスタジオを持っていてと言っていたので、小さい時から楽器に触れる機会はあったんだろうなと思います。2歳くらいの時にラモーンズを歌ってる映像もあったので、お父さんもパンクが好きだったのかなという気もしました。ここで日本人的に大事な事は、ザ・リンダ・リンダズというとブルーハーツのリンダリンダに似てるなと思うんですけれども、インスタを見てるとこの曲に影響されてこのバンド名にしましたといって、ブルーハーツのリンダリンダをカバーしてるんですね。」

渋谷陽一「しかも日本語で歌ってたもんね。」

中村「そう。それもしっかりカバーしていて、ほかの記事を読んでみると、映画の「リンダリンダリンダ」を見てそこからザ・リンダ・リンダズにしたという風にも書いてあったので、だから図書館の映像を見ていると学生の制服みたいなものを着ているので、そこらへんも影響されているのかなという感じです。」

渋谷「すごい才能でビックリしました。それは注目されているのはハイティーンでもミドルティーンでもなくて本当にローティーンであるという、10歳という年齢的な若さもさることながら、やっぱりすごいですよ。曲のクオリティーが単純に彼女たちの年齢を置いておいて、環境も置いておいても、曲だけピックアップしても全然強力な新人としてすごい才能だと思います。」

中村「そうですね。ブルーハーツをカバーしているときも、ティーンエイジャーで警察に撃たれた人達の名前を飾ったりしながら、ちゃんとメッセージ性もあって、しかも曲もよくて、パンクのビデオ見ていて私達もできそうと思ってやったという、すべてが正しいんですけれども、何かそこに無理がないという、本当にやりたかったからやったという素直さのすばらしさがあるなと思います。」

渋谷「こういう存在のアーティストって出オチ、デビューの時はすごいんだけれどもそれで終了みたいなリスクがあるんだけれども、彼女たちは絶対違うね。どんどん将来が楽しみというポテンシャルを持っていてすごいと思います。それではザ・リンダ・リンダズ聞いてください。すごいタイトルです。Racist, Sexist Boy。」



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