20211120
リンプ・ビズキットでDirty Rotten Bizkit。
10年ぶりですよ。リンプ・ビズキット帰ってきました。そして今聞いていただきました通り、まんまリンプ・ビズキットとしか言いようのないサウンドで帰ってきてくれました。20年前のフレッド・ダースト(Fred Durst)は、野球帽を後ろにかぶり典型的な若者のスタイルで、ある意味ラップメタルを象徴するようなそういう記号性のあるファッションだったのですが、なんと最近はそれこそアメリカのわりと落ち着いた感じのお父さんみたいな、なんでこんな格好をしているのかといろいろな所で話題になっていました。明らかに意図的なイメージチェンジというか、こんなんでみんなビックリしただろうと狙いがすごくわかる今のフレッド・ダーストの格好なんですけれども、ちょっとそれはどんなんだろうということで、アメリカでどんな風に受けているんですかって中村明美さんに聞いてみたんですよ。そしたら、あれはコスプレだと。フェスで彼等を見たときに演奏を始める前に「さあみんな、1999年のパーティーを始めるぞ」って言って始めるらしいんですよ。つまり、ある意味開き直ってるというか、今は2021年なんだけれども、自分たちは1999年。でもそれを期待されているんだからそれをやってやるぞと。でもそれの再生産をまんまやるんじゃなくて、お父さんみたいな恰好でそれをやってみせるという一種のコスプレ。つまりそこに彼等の自虐ネタでもあるし、でも求められるものをしっかりやっていくぞという決意もあるし、いろいろな思いが込められているんじゃないかなと、アメリカでリアルで見ている彼女なりの解説があって、その通りだなと思いました。Barnacle。
1分56秒のタイトなナンバーだったんですけれども、やっぱりラップメタルをやらせればすごいし、このスタイルの発明というのはそれこそ後々のロックシーンに大きな影響を与えたし、だからこそ逆にそれ以外のリンプ・ビズキットを作るというのは難しかったのかもしれません。10年間7度スタジオに入ってレコーディングしたんだけれども結局出すことはなかったと、フレッド・ダーストはなかなか納得しなかったと。でも結局このオリジナルなスタイル、それで行くという決意をするためのひょっとすると10年だったのかもしれません。こういうミディアムナンバーも本当にうまいなぁという感じがします。Goodbye。
cf.リンプ・ビズキットについては、永野さんの解説が面白いです。