音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)に学ぶポップアーティストがポップミュージックシーンから降りる時

world rock now19981120

 私の最も愛する女性アーティストです。ジョニ・ミッチェル。最新作から聞いてください。Lead Balloon。



 相変わらず非常に質の高い音つくりをしておりまして、4年ぶりの新作。待った甲斐があるなぁという感じがします。アルバムタイトルは「Taming the Tiger 」でありまして、これは「虎を飼いならす」ということで、「虎」というのは今のポップミュージック業界のことのようであります「Taming the Tiger 」という曲の詞を読みますと

 私の絶望的な境遇にラジオがガンガン鳴っていた
 気の抜けたつまらない曲が響く
 すべての(?)はポーカーゲームのチップのよう
 すべての曲は一夜かぎりの情事のようにむなしい
 型にはまったお決まりの音楽
 量が質より売り物の正真正銘のジャンクフードみたい
 少年少女向けに作っている
 ダイヤルをあちこち動かしても商魂まるみえの曲調ばかり

 という・・・。彼女の苛立ちが歌われているんですけれども、個人的に言わせていただくと、これは歌って欲しくなかったなぁという。これを言った瞬間に、ポップアーティストはポップミュージックシーンから降りちゃうんだよなぁという感じが私は正直するんですよね。ここで戦わなきゃどうするんだと。だけど、ジョニ・ミッチェルだから曲はいいんです。もう一曲きいてください。The Crazy Cries of Love。




キングスX(King's X)に学ぶ日本のロックメディアのすみわけの弊害

world rock now19981113

 まずはキングスXのナンバーを聞いてください。World。



 「Tape Head」という最新作を聞いていただいたんですけれど、キングスXはうちの番組では珍しいアーティストかもしれません。キングスXは日本ではヘヴィメタルやハードロックというイメージでとらえられているかもしれません。これは僕自身の責任でもあるんですが、日本のロックジャーナリズムはわりとすみわけがされていて、ハードロックならハードロック、ポップロックならポップロックという感じでそれぞれにメディアがあって、勝手にアーティストをそれぞれの生息場所ですみわけがされていたりするんですよね。で、グランジ以降アメリカのハードロックは非常に見えにくくなっていて、ニルヴァーナ(Nirvena)などは文学的で非常にシリアスなアーティストと結果なってますけれども、音の佇まいはあれはまぎれもなく古典的なハードロックそのまんまなわけですよ。グランジ以降そういう音の傾向性はあるんですけれども、これは文学性があるバンド、これは単純なハードロックとそういう勝手なリスナー側の思い込みがあってですね、その中間あたりにあるバンドはどこも相手にしてくれない。ハードロック村ではこれはわかりにくくて小難しそうだよなぁとなり、そしてこっちの側ではこれはハードロックだよなぁとなって疎外される。例えば僕はサウンドガーデン(Soundgarden)なんてすごい好きなバンドなんですけれど、そういった形でどこにもまっとうに評価されないままバンドが解散してしまったという、アメリカではあれほど売れているのにという、そういうところがあってですね、その反省に基づいてですね、このキングスXのようにちょっと活動休止期間があり、厳しい局面に立っているバンドですけれども、せっかく新作がでたのだからなるべく取り上げていこうと思います。Cupid。



ポール・ヒートン(Paul Heaton)に学ぶ中年男子が太る理由

world rock now19981016

 渋谷陽一「ビューティフル・サウス(The Beautiful South)、最近はチャートの常連っていう感じですけど。」

 児島由紀子「そうですよね。アルバム出して一千万枚くらい売れますからね。」

 渋谷「なにそれ。カーペンターズ(Carpenters)じゃないんだから。」

 児島「すごいと思いません?もう、完全に大衆AOR路線なんですよ。かつて、ハウスマーティンズ(The Housemartins)にいた人とは思えないんですけど。」

 渋谷「そうだよねぇ。かたやファットボーイ・スリム(Fatboy Slim)。かたやビューティフル・サウス。わけがわからにことになっているんですけど。」

 児島「ノーマン・クック(Norman Cook)とものすごく対照的ですね。でも、こちらはオーソドックスに金儲け路線を選んだということでしょうがないですね。」

 渋谷「みもふたもない言い方を。そんなベタベタなものじゃないじゃない。これはこれで上等なものじゃないですか。」

 児島「そう思いますか?」

 渋谷「まだましじゃないの。」

 児島「でも、ハウスマーティンズの頃を知ってる者としては・・・。スミス(The Smith)よりも政治的なバンドでしたからね。スミスとならぶくらい重要なバンドだったんですから。」

 渋谷「そうですね。だから、パンクを踏まえてどうやるかということで、ビューティフル・サウルとノーマン・クック。」

 児島「よりラディカルに過激にいったノーマン・クックとものすごく対照的ですね。」

 渋谷「そちらでの評価はどういう感じなんですか?」

 児島「昔ながらのファンと、大ヒットしてちょっと入ったファンが半々って感じですね。でも、どこのパブのデュークボックスにも必ずありますから。」

 渋谷「だけど、それだけの枚数が売れるってことはもう一家に一枚って感じじゃないですか。」

 児島「そうですよ。だけど、音楽通には尊敬されてないですね。やっぱり金をとったんだっていうイメージがあるからでしょうね。その反面ノーマン・クックは非常に尊敬されてますね。」

 渋谷「まあ、がんばってラディカルなこと続けてますからね。」

 児島「チャートアクションもすごくいいじゃないですか。理想的なパターンですよね。」

 渋谷「そうですね。ちゃんと新しいトレンドを自分自身で作っている感じがしますけれど、このビューティフル・サウスの場合は限りなく迎合的というか。」

 児島「そうですね。おかげでどんどん太っていくみたいですけどね。ポール・ヒートンも。」

 渋谷「その太っていくっていうのも・・・。」

 児島「オーソドックス路線に行く人って一般的に太るみたいですよね。」

 渋谷「そういう因果関係がある?」

 児島「スミス解散後のジョニー・マー(Johnny Marr)、ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)解散後のジョン・スクワイヤー(John Squire)って一時的にみんな太ってますからね。」

 渋谷「なるほどねぇ。」

 児島「腹の緩んだポール・ヒートンという感じで。」

 渋谷「なるほど。今日は健康にも留意するという。」

 児島「ガバガバ儲けているという。」

 渋谷「わかりました。どうもありがとうございました。」

 児島さんが尊敬していたハウスマーティンズです。



 児島さんがボロクソに叩いてたビューティフル・サウスです。




エルビス・コステロ(Elvis Costello)に学ぶミュージシャンの年のとり方

world rock now19981016

 エルビス・コステロといえばパンクシーンから長いキャリアをもっているベテランミュージシャンでありまして、最近もフジロックフェスにきて大きなお腹でいろいろ歌ってくれた、本当に佇まいはおっさんって感じのアーティストなんですけど、彼自身が本格的にもう一遍ソロ活動を開始しようと、そして自分自身の音楽的なフォーカスをきっちりボーカル物に設定しようとそういう意欲が反映された作品をつくってくれました。バート・バカラック(Burt Bacharach)というポップミュージックシーンに燦然と輝く伝説の作曲家、アレンジャー、ミュージシャン、このバート・バカラックと一緒に作品をつくってくれました。まさに新しいエルビスコステロ。こっちの方に走るんだよという、そういう宣言のような作品になっております。そのなかから一曲聞いてください。Tears At The Birthday Party。



 僕はエルビス・コステロというと1978年に彼はデビューの翌年に来日コンサートを果たしまして、そのコンサートを私も見に行ったんですけれども、レコード会社の人から、「コステロがどうしてもやりたいということが一つあってそれを一所懸命とめているんですけど彼は止めてくれないんですよねぇ」という話しを聞かされまして、それはどういうことかというと、彼自身は禁止されたところでコンサートをやるということをやりたい人で、「日本は銀座という繁華街があるらしいけど、そこにトラックで乗り付けていきなりアンプでガンガン鳴らして演奏したい、そのときは私は学生服をきてそれをやりたい」という無茶な要望をつきつけまして、当然みんな「それは止めてよと、逮捕されてコンサートできなくなったらどうするの」と、しかしコステロは「いや、俺はやるんだ。」と。結局彼はトラックに乗って学生服きて数寄屋橋のど真ん中でコンサートを決行してしまったわけですけれども、当然捕まってしまって罰金を払うということになったんですが、とにかくそういう無茶をやる、イギリスのなかでもとにかく皮肉なインタビューの受け答え、非常にラジカルな態度というそういうものを一貫して示し続けてきたアーティストなんですよね。そのイメージをファンにいつまでも引きづられると迷惑かもしれないですけど、ただ、このバート・バカラックとの佇まいというと、いいんですけど、どうしたものかなぁと、しかもレコードを聞くとめちゃくちゃ本気でやたら力はいっておりまして、昔もイメージもこの中になにがしかはいってるといいんだけどなぁというおもってしまいました。

 参考) 学生服を着てゲリラライブをやった画像です。



トッド・ラングレン(Todd Rundgren)に学ぶ才能の豊かさとミュージシャンの商品性との関係

world rock now19981007

 最近のトッド・ラングレンというのはインターネットでしか自分の作品をリリースしないとか活動の形態がわかりにくくなっています。このレアトラック集はトッドラングレン自身がライナーノートを書いていまして、「僕のレアトラック集を編集するにあたっての問題点は、わずかにレコード一枚分相当の音源しか現存しないということだった。いうなれば、これは決定的で唯一の製作可能なコレクションでなければならないことを意味している」。つまり、一生に一回しか出さないんだよと自ら宣言しているレアトラック集なわけであります。これがいいんですよ。まずはBe Nice To Me。


 この作品は1970年代のレアトラックがおさめられてるんですけど、トッド・ラングレンというのはノイジーな音楽からメロディアスでリリカルな作品まで非常にレンジの広い作風をもった人でありまして、逆にそのレンジの広さが彼自身のパーソナリティーを見えなくしているという、つまり「トッド・ラングレンといえばこういう音ね」ということがさっと出てこない、特にユートピア(Utopia)などのバンド活動もあったりして混乱を招いて結局彼自身のミュージシャンとしての商品性を才能の豊かさが逆に疎外しているみたいなところがあるんですね。だんだん、レコードのリリースの方法もわけがわからなくなって、もうちょっとうまくやれば、今でもポップミュージック史に残る偉大な才能ですけど、もう少し金銭的な収穫もちゃんと得られたんじゃないかなぁと改めておもいます。続いてはA Dream Goes On Forever。このレアトラック集にはいってるバージョンもなかなかいいです。




 今度のはバンドユートピアをバックにしてジェフリーのナンバーをやっているという、これは1985年のレコーディングなんでちょっと新し目のナンバーでございます。Where Does The Time Go ?。



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